バレット食道とは
バレット食道とは、胃酸や胆汁酸を含む十二指腸液が食道内に逆流することで食道の粘膜が障害されて起こる病気です。バレット上皮とは、食道の扁平上皮という粘膜が、胃と同じ円柱上皮に変化した状態を指します。
日本ではピロリ感染者の減少、肥満の増加、食生活の欧米化などにより、胃食道逆流症の患者数が増加しています。それに伴い、バレット食道の患者数も今後は増加していくと考えられています。
男性の方が発症しやすいと考えられており、女性ホルモンのエストロゲンがバレット食道の予防に有効である可能性が示唆されています。
バレット食道の症状
バレット食道の原因
バレット食道は、逆流性食道炎の結果として起こる症状です。
逆流性食道炎は、胃酸が食道粘膜を傷つける病気で、その治癒過程で胃の上部の円柱上皮が上昇し、粘膜の変性を引き起こします。
近年、日本人の食生活の欧米化により逆流性食道炎の患者数が増加しており、それに伴いバレット食道の患者数の増加も予測されています。
バレット食道の検査
逆流性食道炎の症状がある方はバレット食道を発症している可能性も疑われます。
バレット食道はバリウム検査では確認できないため、胃カメラ検査が必要になります。
胃カメラ検査では、食道と胃の境目(食道胃接合部)周辺の粘膜を詳しく観察します。 色調や構造の違いから正常な食道粘膜や円柱上皮と区別し、バレット食道と診断します。
また、胃カメラ検査の際に組織を採取することも可能です。採取した細胞を顕微鏡で観察し、細胞の増殖の程度や細胞の形などの異常を観察します。
バレット食道の治療
現時点では、バレット食道自体を改善する治療法はまだありません。
逆流性食道炎を放置するとバレット食道に進行するリスクが高まることが分かっています。そのため逆流性食道炎の治療をしながら、年に1回は胃カメラ検査を受けて経過を観察することが推奨されています。