超音波検査について
超音波検査では、検査する部位の体表面にゼリーを塗り、超音波の送受信を行う探触子(プローブ)をあてて行います。
検査部位に当たった超音波が「跳ね返ってくる」ものと、「跳ね返ってこずに通り抜けていく」ものの違いをモニター上で画像化し、体内の状態を調べます。これは魚群探知機と同じ原理です。超音波は、レントゲンと違い放射線を浴びる心配がないため、胎児の検査にも使えるほど体に負担の少ない検査です。
ゼリーも医療用で簡単に拭き取れるため安心して検査をお受けいただけます。
検査時間は部位によって異なりますが、概ね15分~30分程度で済みます。
レントゲンやCTではわからない血流や動きをリアルタイムで映し出すことができるので、内臓の病気の変化も確認することが可能です。
こんな症状がある方は超音波検査を受けましょう
腹部エコー
- お腹が痛い
- お腹が張る
- お腹にしこりを感じる
- 食事は十分に摂っているのに、体重が減少している
- 便秘や下痢の症状がある
- 疲れやすい
心臓エコー
- 胸が苦しい
- 胸の痛み
- 動悸
- 体がむくむ
頸動脈エコー
- 頭がぼーっとする
当院の超音波検査の特徴
当日検査対応可能
当院では、症状の重い患者様や医師の判断で早急な検査が必要とされた患者様には、可能な限り当日中に、検査をお受けいただける体制を整えています。
精密検査を直ちに受けるように診断された方は、当院までお電話にてご連絡ください。
なお当日の予約状況や食事の状況などによっては、当日検査ができない場合もありますので、ご了承ください。
プライバシーに配慮した検査室
当院では、プライバシーに十分に配慮した個室で超音波検査を行っていますので、安心して検査をお受けいただけます。
当院での超音波検査
当院では腹部エコー(腹部超音波検査)の他、心臓超音波(心臓およびその周辺の超音波検査)や頸動脈超音波検査も行っております。お気軽にご相談ください。
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部超音波検査(腹部エコー)でわかる疾患
肝臓
肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんなどの兆候を調べることができます。
胆のう
胆石、胆のうポリープ、胆のうがんなどの有無や状態を調べることができます。
膵臓
膵炎、膵臓がんなどの有無や状態を調べることができます。
腎臓
腎結石、がんなどの有無や状態を調べることができます。
脾臓
脾臓に腫瘍があるか、肥大しているかなどを調べることができます。
腹部大動脈
腹部大動脈の状態を調べ、動脈硬化症の場合に見られる動脈壁の石灰化や動脈瘤の有無を調べることができます。
小腸・大腸・虫垂などの消化管
消化管の腫瘍、拡張、閉塞、壁の浮腫、消化液の貯留、炎症の有無などを調べることができます。がんや虫垂炎の診断が可能な場合もあります。
腹部超音波(腹部エコー)を実施する目的
腹部エコーでは、胃カメラでは診断が難しい肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓などの消化器の異常や、腎臓、腹部大動脈、小腸、大腸、膀胱が確認できます。また、腹部の皮下脂肪腫や脂肪腫などの腫瘤の有無も調べることができます。女性では子宮や卵巣などの骨盤内臓器の異常も確認することが可能です。
腹部には厚みがあり、腹腔内にガスが貯留しているため見通しが悪く、膵臓など超音波で観察しにくい臓器があります。当院ではその点を考慮しながら正確な検査を行えるよう努めています。腹部超音波検査では膵臓全体を観察することは困難ですが、その反面、納得いくまで観察できるため、膵がんの早期発見には非常に有用な検査です。
食物残渣の影響を受けるため、原則的には空腹時検査となります。検査を希望される方は、できるだけ食事を控えてから来院してください。
心臓超音波検査(心エコー)
心臓超音波検査(心エコー)で病態や病期が分かる疾患
弁膜症
弁膜症とは、心臓の4つの部屋の出入り口で逆流を予防する弁が何らかの原因で傷んでしまう病気です。心エコーで弁の状態、狭窄や逆流の有無などを判断します。
虚血性心疾患
血管が詰まるなどして心臓に十分な血液が行き届かず、心臓が酸欠状態になる病気です。
心エコーで心臓の壁の動きの状態や左室の瘤の有無などを判断します。
心不全
心不全とは、何らかの理由で心臓のポンプ機能が弱まり、全身に血液を送り出す力が低下した状態を言います。心エコーで心臓の壁の収縮力が低下しているかどうかを判断します。
心臓超音波検査(心エコー)を実施する目的
心エコー検査では、心臓の弁の状態や心臓の壁の状態や動きなど、心臓の様々な機能をチェックすることが可能です。心臓に問題を感じている方はもちろん、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病によって心臓や血管に障害が起こる可能性のある方にも、一度は心エコーを受けていただくことをお勧めします。
40歳以上で生活習慣病のリスクが高い方は、心エコーだけでなく、腹部エコーや頸動脈エコーの受診もお勧めします。
頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)でわかる疾患
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪の濃度に異常がある状態のことを指す病気です。特に、血液中の脂質が増えすぎると、血管内にコレステロールが粥状(アテローム)に厚く溜まってしまい、これが悪化して血管壁に粥腫(プラーク)ができると血栓症の原因となります。頸動脈エコーでは、このプラークを発見することができます。
動脈硬化の程度
動脈血管は弾力性があるため、心臓から送られてきた血流を受け止めて、そこから先は負担なく流れるように働いています。これが脂質異常症や高血圧、糖尿病などにより血管の壁が傷んで弾力性を失った状態が動脈硬化です。
頸動脈エコーでは血管の壁の肥厚や血管の狭窄などが検出できます。
甲状腺疾患
甲状腺には腫瘍や、袋状の「のう胞」がよく見られます。そのほとんどは問題なく、そのまま経過観察にしておいても良いものですが、中にはがん化するものもあります。
頸動脈エコー検査では、甲状腺の腫瘍やのう胞の有無も調べます。
頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)を実施する目的
頸動脈は頭に血液を送る太い動脈(総頸動脈)の1つで、途中で2つの動脈に分かれ、1つは脳に行く動脈(内頸動脈)、もう1つは顔の表面に行く動脈(外頸動脈)です。
この分岐点(頸動脈洞)は、全身の動脈の中でも動脈硬化の発生頻度が極めて高い部位です。頸動脈超音波検査では、総頸動脈、頸動脈洞、内頸動脈を観察することで、全身の動脈硬化の進行状況や、何よりも脳梗塞のリスクを調べることができます。
動脈硬化になりやすい方としては、加齢や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、また、肥満や内臓脂肪肥満など生活習慣病になるリスクのある方が挙げられます。生活習慣病になりやすい40歳以上の方には、頸動脈エコーの受診をお勧めします。
検査費用
1割負担の方 | 3割負担の方 | |
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腹部エコー検査 | 約800円 | 約2,400円 |
心エコー検査 | 約1,000円 | 約3,000円 |
頸動脈エコー検査 | 約800円 | 約2,400円 |
検査代金の他、別途診察代金がかかります。
薬剤等を使用するなども別途費用が発生する場合があります。