便潜血検査について
便潜血検査は、目に見えないほどの少量の血液が便に混ざっていないかを調べることで、大腸がんの存在をチェックする検査です。
検査結果が陽性であっても、大腸がん以外の原因で出血している可能性もありますし、逆に陰性であっても、患者様が実際には大腸がんを発症していたという場合もあります。
そのため、便潜血検査はあくまで大腸がんのスクリーニング検査と捉え、他の検査も受けることが推奨されています。
大腸がんについて
日本では大腸がんはがんによる死亡原因の大多数を占めており、2022年には男性で2位、女性で1位と報告されています。
大腸がんが悪化すると、体に負担の大きい手術や化学療法が必要となり、日常生活に支障をきたすことにも繋がります。そのため、早期発見・早期治療がとても重要となります。また、大腸がんは初期には自覚症状がほとんどないため、定期的に大腸カメラ検査を受けていただくことで、早期発見が可能となります。
大腸カメラ検査では、小さな大腸ポリープでも発見でき、検査中に切除することも可能なので、将来の大腸がん発生を予防することができます。
当院では、熟練した医師が最新の機器を用いて丁寧に検査を行います。患者様の負担を最小限に抑えるよう努めておりますので、ご不安のある方もお気軽にご相談ください。
大腸がんを発見するのに有効な検査
便潜血検査
便潜血検査の結果が陽性であれば、大腸がん以外にも何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。陽性反応が出た方は、大腸カメラ検査でさらに詳しく調べる必要があります。
大腸カメラ検査
大腸ポリープや大腸がんを早期に発見するために大腸カメラ検査は効果的です。
検査中にポリープが見つかれば、その場で切除することも可能です。
当院では、患者様の不安を少しでも軽減できるよう様々な工夫を施した環境を整備しています。少しでもご不安などがあれば、何でもお気軽にご相談ください。
苦痛を抑えた大腸カメラ検査
当院の大腸カメラ検査では、患者様の苦痛を最小限に抑えることを第一に考えています。
例えば、鎮静剤を使用することで、眠った状態で検査を受けることができます。鎮静剤を使用する際は、患者様の血圧や酸素飽和度をモニタリングしながら安全に検査を行い、常に患者様の全身状態を確認しています。また、空気のかわりに炭酸ガスを送気することで、お腹の張り感を抑えて苦しさを軽減します。
経験豊富な医師が検査を担当し、最新の内視鏡システムを使用することにより短時間で検査でき、患者様の負担を最小限まで軽減できます。
大腸カメラ検査に対して恐怖感や不安感をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
大腸ポリープは検査中に切除が可能
大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、検査中にその場で切除が可能です。
大腸ポリープは前がん病変ですので、検査中に切除することで将来の大腸がんを予防することができます。日帰り手術が可能ですので、入院の必要がなく、治療終了後にはご帰宅いただくことが可能です。検査と治療を同日に行うことで、食事制限も1回で済みます。
便潜血検査で陽性反応が出た場合
便潜血検査で陽性の場合、消化管のどこかに出血があることが考えられます。
便潜血検査を受けた方を対象にした調査によると、1000人のうち約50人が陽性となり、陽性の方の1~2%に大腸がんが見つかったと報告されています。
大腸がんは早期に発見できれば、日常生活に影響しない範囲の治療で完治が望めます。
そのため便潜血検査で陽性となった場合は、大腸カメラ検査を受ける必要があります。
便潜血検査で陰性反応が出た場合
便潜血検査は、あくまでもスクリーニング検査と位置づけられており、便潜血検査で陰性であっても実際には大腸がんだったという前例もあります。
大腸ポリープや早期大腸がんの方の約50%、進行大腸がんの方の約10%が陰性になると分かっています。
そのため、便潜血検査で陰性であっても、大腸カメラ検査を受けることが推奨されています。特に、大腸がんになりやすい40歳以上の方は定期的に大腸カメラ検査を受けましょう。また、若い方でも遺伝的な要因で大腸がんになる可能性もありますし、若い方は進行するまで自覚症状がないことが多いので、気になる方はお気軽に当院へご相談ください。